そしてMINDとは知性のことです。人間というのは「あたま」を使う知的な存在だということです。人間の学名はホモ・サピエンス、ラテン語で“知の人”という意味であるのはご存知だと思います。
ところでみなさんは、わが子が理想的に育ってくれるとしたらどんなことを希望なさいますか。健康でスポーツ万能、それに頭がよくて勉強もバツグン。つまり輝くようなボディとマインドの持ち主、ということになりましょうか。
さて、その上何を望まれますか。これ以上望むなんてバチがあたりそう、と思われるかもしれません。でもキリスト教的には、からだが立派で頭がいいだけなんて、たいしたことではない。いやそれどころか、そんな人間では危なくてしょうがない。だいたい世の中、悪事を働いてまんまと逃げおおせる人というのは、かなり頭の回転が速く、体力にも自信のある連中です。
ではほかに何が必要なのか。いや、人間として体力や頭脳以上に欠くことのできないものは何なのか。実はその答えが、逆三角形のいちばん上の辺に示されているのです。そこにはSPIRITと書いてあります。そう、これが「霊性」です。まあ、おおざっぱに「こころ」といっておきましょうか。
優しいこころがあってこそ、明晰な頭脳も強健な体力も人間らしく活かすことができる、というものでしょう。
頭とからだ、そして何よりもこころ。人間にはこの3つの側面があり、これらが十全に活かされているとき、私たちは健康にいきいきと自分らしい人生を送ることができる、というわけです。