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5 幼子の幸せのために ―三つ子の魂 百までも―

埼玉県所沢市・優々保育園

園長 澤田イヨ子

 

園庭に幼子たちの輝く瞳、弾ける声。その姿を目を細めて眺めるお年寄りたち。優々保育園の大きな特色は、時代のニーズに対応していちはやく乳児保育を始めたことと、同じ社会福祉法人が経営する乳児保育園と特別養護老人ホームが同じ敷地内にあることです。

 

乳児保育の動機・経過

優々保育園は埼玉県の西部、所沢市にあります。都心への通勤に便利なうえ、自然環境に恵まれています。広大な狭山丘陵には「トトロの森」や遊園地があって、休日には家族連れで賑わいます。東京のベッドタウンとして、現在でも人口が増え続けています。

所沢市の人口が急増したのは、昭和40年代です。転入者は比較的若い世代、それも外で働く女性が多く、家庭における保育が充分とはいえない傾向が見受けられました。乳児保育の大切さを痛感しておりました。

昭和44年、厚生省は、「0歳児指定保育所」設置を認めました。私は一念発起して、家族の協力を得て、自宅を開放することにしました。許可を受けるため、精いっぱいの学習も重ねました。

昭和46年、たくさんの方々のご協力のおかげで、所沢市家庭保育条例に基づく保育室を開所できる運びとなりました。

当時の所沢市の人口は約14万人。保育所数は公立が12園、私立が2園。当時まだ、0歳児保育は、どこでも実施されていませんでした。

 

 

 

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