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決して発達的には遅れていないのに、「できない」のではなく「やらない」子もいてやきもきしますが、これも再テストとなります。これは6か月過ぎて万が一顔に物が掛かって…とか、うつぶせの状態で命に関わるような事故が起きた時、この子は自力で払いのけたり、上体を反らしたりできる能力が備わっていたのだからその事故の原因が保育の体勢にあるのではなく、他にあるのだということの証明になります。6か月のお誕生日、保育士は記念撮影の感覚で、うつ伏せ、上体反らしの写真を撮る時などは「いいお顔で笑って」とか言っていますが、実はとっても大切な事の記録なのです。ですから6か月未満児はこれらの事が一切できない運動能力の未熟な者として十分な監視体勢下に置かれます。

イ. 呼吸モニター

乳児室のベッドにはすべて、呼吸センサーがつけられ、モニターされています。ぐっすり眠っている子は身じろぎもしません。枕元のグリーンのランプが一定のリズムでピコピコしています。見ている側はとても安心なのですが、呼吸停止のブザーが鳴った時、如何に敏速に対応できるかがこのモニターをつけた最終の目的であり、つけたから安心ではない事を常に担当職員同士で確認しています。

ウ. 心肺蘇生訓練

呼吸センサーのブザーが鳴った時、迅速に的確に対応するための訓練は看護婦さんの指導、時には救急救命士さんの指導により、定期的に実践されます。現実に事故の経験がないので、万が一の時に冷静に対応できるようにとのシミュレーションの繰り返しです。

 

 

 

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