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2 小さなあんよで大きな一歩

岩手県花巻市・第二若葉保育園

園長 中村美喜子

 

1. はじめに

第二若葉保育園の歴史は昭和48年12月1日に始まりました。社会福祉法人「花巻保健福祉会」が運営する保育園としては、昭和42年に開設された若葉保育園に次いで2つ目の保育園です。若葉の開設当初は花巻市内に3歳未満、特に乳児を保育する保育園がほとんどなかった時代で、当時保健所に勤めていた現理事長が保健婦、看護婦、栄養士という主に医療スタッフを集めて始まりました。年次的に入園希望者が増加し、保育士も加わり、花巻市の要請もあって、第二若葉保育園が6年後にできました。開園してからしばらくは3歳未満児だけ60名、3歳を過ぎると他の保育園に移るという状態が続きました。当時はまだ、生活のために赤ちゃんを預けて働くというお母さんたちがほとんどで、延長保育制度もなかったのに、お母さんたちは皆一生懸命でした。その頃の卒園記念アルバムの文集には、初めて保育園に預けた日の心中が「後ろ髪を引かれる思い」として切々と綴られていました。開設から27年という時が経ち、社会も少しずつ変化し、保育制度も保育内容も、保育士の意識もお母さんたちの子育て観も変遷してきました。「子育てにやさしい環境」が着々と整ってきています。今、核家族化が進行する中、子育ては、家庭の中でお母さん一人が不安を抱えながら頑張る時代ではなくなってきました。心配なことは近所の保育園で相談し、お仕事をしたければその働き方によって一時保育、乳児保育、延長保育、体調不良の時の保育など、保育園が多角的にバックアップできるようになってきました。

 

 

 

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