以前はよく視診といわれていましたが、視診は聴診・触診と並び、診察や診断につながることばであることから、「健康観察」という表現が用いられるようになってきています。
○健康観察のポイント
何より大切なのは、子ども一人ひとりの普段の様子をよく知ることです。元気なときの表情、顔色、声の調子、泣き方、眠り具合、動き具合、食事、哺乳力、排泄、機嫌、体温などをよく把握しておくと「いつもとちがう」状態に気づきやすくなります。
これらは、個人差が大きいことや精神的動揺や、外部からの物理的な条件で容易に変化することを認識しておきましょう。
また、保育所内や地域での感染症流行状況を常につかんでいると、子どもの変化に早い対応ができる場合があります。嘱託医のみでなく、地域の保健医療機関との連携が必要といえます。
○朝の受け入れ
朝の挨拶をしながら、「今日もご機嫌ね…」「よく眠れたみたいね…。いいお顔している…」等、話しかけ、子どもに触れながら、顔色、機嫌、目の輝き、皮膚の状態をさりげなく観察します。保護者から直接、または、連絡帳を通して、前日から登園までの様子を把握します。
いつになく眠りがとれない状態や、普段と違う寝起きの機嫌の悪さは、まだ目に見える症状が表れていなくても病気になりつつある状態といえることがあるからです。
健康状態は、朝のこの一時の状態だけではなく、連続したものとしてとらえることが大切です。前日もしくはそれ以前からの体調で気になることがあれば、それがどう変化しているのかを把握します。