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文献名:気侯講演会(II)地球温暖化と私たちの生活

地球温暖化の社会・経済への影と防止対策

講演者:相良邦夫 編集:気象庁気候・海洋気象部海務課

出典:気象44・8、pp10-14. 発行年:2000年

 

本調査に関係する主な内容

・二酸化炭素(CO2)の大気中の濃度は、1999年現在、過去16万年間で最高レベル(370ppm)に達している。

・自然災害の発生件数は1998年以前の数年間は年間530件から600件で推移してきたが、1998年は700件を越えた。

・国連環境計画(UNEP)によると、世界では過去30年間に自然災害(Natural Disaster)によって約300万人が生命を奪われ、1000万人が被災した。

・UNEPはミュンヘン再保険会社の推計として、世界が1997年と1998年の2年間に自然災害によって受けた経済的な損害は1200億ドル(約13兆2000億円)に達したと指摘している。

・1986年から1995年までの10年間の経済的損害は、1960年代の8倍以上に激増している。

・国際赤十字杜・赤新月杜連盟の「世界災害報告1999」によると、世界が1998年に自然災害(Natural Disastcr)によって受けた経済的損害は、931億3600万ドル(10兆2450億円)にのぼった。この内85%が気象災害(Climate Disaster)による。

・小島しょ国や海岸線の長い発展途上国が、堤防のかさ上げなど海岸の防護に投入する費用(対GNP比率)は莫大な額となり、それだけでも国家存亡の危機に直面しかねない。

 

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図2 世界の自然災害による経済的損害(1998年)

(資料:国際赤十字社・赤新月杜連盟「世界災害報告1999」)

 

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図3 海面1メートル上昇に対する各国の海岸防護費用

国・地域別の年間費用のGNPに対する割合(単位は%)を示す。この推定費用には、海岸の防護構造物のかさ上げ以外は含まれていない。

(資料:IPCC第二次評価報告書(第二作業部会)より作成)

 

 

 

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