(4) 世界の異常気象の見通し
・将来も異常気象は発生する。
・地球温暖化に伴い、異常高温は増加し、異常低温は減少するとみられる。
・激しい降水が増加し、一方で異常小雨が増加するとみられる。
(5) 世界の気候変動の見通し
・二酸化炭素等の排出が継続すると、100年後には地上気温は世界全体で約1℃から約3.5℃上昇する。特に北半球高緯度の大陸で昇温が大きい。気温の日変化は小さくなる。
・高緯度では冬の降水量と土壌中の水分が増加する。
・海面水位は、100年後には世界で平均して15cmから約95cm上昇する。
・現在のオゾン層破壊物質の生産計画のもとで、オゾン層の破壊のピークは2020年までに現れ、回復は21世紀半ばを過ぎてからになる。
(6) 我が国の異常気象と気候変動の見通し
・地球温暖化に伴い、異常高温は増加し、異常低温は減少するとみられる。
・冬の季節風が弱まるとみられる。
(7) 気候変動問題に関わる国際的動向
・気候変動に関する国際連合枠組み条約(UNFCCC)は、1992年5月に採択された。この条約は、「気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させること」を究極の目標とし、「先進国では、西暦2000年までに温室効果ガスの人為的排出量を1990年の水準に戻すとの目的をもって政策・措置を講じ、その実施状況を報告することを約束する」こととされている。
・2000年以降の温室効果ガスの排出規制に関しては、1997年の地球温暖化防止京都会議(COP3)で採択された「京都議定書」で規定された。先進国は全体で1990年に比べて温室効果ガスの排出量を少なくとも5%削減すること(目標期間:2008〜2012年)及びそのための政策・措置を講じる責務を負った。