付録-3 関連文献調査結果
文献名:異常気象レポート‘99 <総論>
編集:気象庁 発行:大蔵省印刷局 発行年:1999年
本調査に関係する主な内容
(1) エルニーニョ現象
・1997年春から1998年夏にかけてエルニーニョ現象が発生し、今世紀最大級に発達した。熱帯を中心に、中・高緯度の各値でも記録的な大雨や干ばつが発生するなど、異常気象が続発した。
・インドネシアやブラジルの熱帯雨林では干ばつとなり、これが一因で大規模な森林火災、煙害が発生した。
・ペルー北部やソマリア等の乾燥域では大雨による洪水が発生した。
・アメリカ合衆国南部では大雨や竜巻による被害が発生した。
(2) 異常気象の状況
・我が国を含め世界の多くの地域で、異常高温は長期的に増加しており、特に最近は多発している
・我が国では、異常多雨は長期的に減少している。長期的に日降水量1mm未満の年間日数が増加している
・世界的には、長期的に異常多雨が増加している地域が多い。
(3) 気侯変動の状況
・我が国を始め世界的に、地上気温は長期的に上昇している。過去100年間に世界全体で約0.6℃、日本では約1℃上昇した。特に最近は観測史上記録的な高温が続いている。
・降水量は世界的には長期的に増加している。特にヨーロッパや北アジアの冬の降水章の増加が著しい。我が国では長期的に減少している。
・我が国では、近年夏の気温の年々の変動が大きくなっており、最近も続いている。
・成層圏の気温は長期的に下降している。
・海洋の表面水温は長期的に上昇しており、1970年代半ば以降上昇が顕薯である。
・我が国を始め世界的に、地球温暖化を引き起こす二酸化炭素の大気中濃度は上昇し続けている。また、北西太平洋の海洋中の濃度も上昇している。
・世界のオゾン全量は、近年低緯度域を除いて減少している。
・南極のオゾンホールは、最近、毎年大規模に発生している。1990年代に入り北極域においてもオゾン層の破壊が顕著に発生するようになった。