第5章 まとめ
5.1 概要
本事業は主に以下の3つの内容から構成される。
1] アンケート調査
世界の島しょ国及び沿岸国、並びに国内の海洋関係機関と海洋事業関係者に対して、自国または自機関(事業者)における海洋観測の現状と今後の課題に関するアンケート調査(郵送調査)を行う。
2] 全球海洋観測推進に向けた国際検討会議の開催
国内外の専門家を招聘し、上記調査の集約結果を素材として、Argo計画を始めとする今後の全球海洋観測推進体制の確立に向けた課題とその取り組み、特に民間の協力体制のあり方に関する国際検討会議を開催する。
3] 「気候予知・海洋観測推進のための講演会」の開催
Argo計画等の全球海洋観測網の確立が不可欠であることを広くアピールするための講演会を開催する。
なお、本調査では学識経験者、関連行政機関関係者等からなる検討委員会を設置し、計4回の開催を通じて、アンケート調査、国際会議、講演会の詳細等につきその都度指導を受けて、調査を遂行した。
5.2 アンケート調査
1] アンケート調査の目的と内容
世界の島しょ国及び沿岸国、並びに国内の海洋関係機関と海洋事業関係者が、自国または自機関(事業者)における海洋観測の現状と今後の課題についてどのような意識や考えを持っているかを調査することを目的として行った。
その内容は、「今後の自然災害」「気候予測の必要性と海洋観測」「海洋観測における国際協力」の3つの項目について設問を設定した。
2] アンケート調査の対象と回答
アンケート調査の対象者については、委員会の議論を踏まえ、関係機関からアンケート対象として適切な機関に関する情報を収集し、海外77機関、国内125機関とした。
アンケートの送付ならびに回答は平成12年7月〜9月にかけて行われ、最終的には38機関(49%)、国内99機関(79%)から回答が寄せられた。
3] アンケート結果の分析と評価
1) 海外機関
・現在、過去および将来にわたり問題と考えられている自然災害としては、洪水、大雨、強風、異常乾燥が挙げられ、非島しょ国は大雨、島しょ国は海面上昇を最も懸念している。