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上式のパラメータAとBは最大風速半径(RMW)をRWとすると、

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で表わされる。Schloemerの式の場合はB=1の場合である。Hollandの式のB(1≦B≦2.5)は物理的には気圧分布の形状を定め、Aはその形状の台風中心との相対的な位置を決定するパラメータである。このモデルの最大風速はBの平方根に比例することになる。Hollandの式は少数の例でしか検証されておらず、その適用性の検証が今後の課題として残る。

 

(2) 傾度風

一般に、大きなスケールの気象現象では傾度風近似が成立する。台風に関しても傾度風近似が成り立つと仮定しても実用的には十分であると考えられるので、ここでは海上風を傾度風と地表摩擦を考慮して求める。傾度風Vgは、気圧のつりあいの式

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から

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で求まる。ここで、fはコリオリのパラメータ(f=2ωsinφ、ω=7.29×10-5s-1、北緯35°でf=8.36×10-5)、rは曲率半径、ρaは空気の密度(1.25kgm-3)であり、気圧分布が同心円の場合rは台風中心からの距離である。気圧勾配はSchloemerの式から次式により計算される。

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(但し、Holland(1980)の式を用いると気圧傾度(5.10)式は次式

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で表わされる。)

 

 

 

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