
ここでVa(r、Θ)は、極座標上の位置(r、Θ)における傾度風以外による風速、例えば、一般風による海上風速を表わし、台風域内の海上風の非軸対称性を表現する。Cos(Θ‐Ψ)=1の場合の(5.1)式を図5.5に示す。
Θは台風進行の右方向を基準とした極座標(反時計回り)上の角度(ラジアン)である。A、B、Cは半径方向の風速差を与えるパラメータであり、衛星観測から得られた最大±2.5m/sの風速差を表現する。Ψ(VT)は、最大風速が出現する方向を表わす式であり、台風の進行速度VTの関数である(図5.6)。
海上風速VSは、傾度風VGに強調関数G(r)((3)項で説明)を考慮し、Vaを加算して次式
Vs=G(r)・VG+ Va (5.2)
で与えられる。