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3.2 数値計算による台風域内の波高、周期、波向分布

 

(1) 概要

日本気象協会は、第3世代の波浪数値モデルであるJWA3Gモデルを開発し(日本気象協会;1993)、波浪業務に使用している。ここでは、このモデルを用いて台風域内の波浪計算を実施して得た計算結果の特性を調べる。なお、地上風の計算には第6章で説明されている「傾度風+一般風モデル」(宮崎らのモデル(宮崎ら;1961)、以下では従来手法と呼ぶ)を利用した。

波浪計算は以下の条件の下で、9RUN実行した。

 

<共通計算条件>

台風定数、R0:50km

海上風への換算係数:0.65

進行方向:北に直進、計算開始の中心位置は北緯20度、東経135度

(但し、台風の移動しない計算では北緯30度、東経135度に停滞)

計算領域:北緯15〜45度、東経120〜150度の緯度経度範囲(領域全体が海域)

積分時間:48時間(解析利用は36時間以降)

格子間隔:0.2度 積分間隔:6分 風計算間隔:12分

 

<各RUNの台風の中心気圧と進行速度の条件>

031-1.gif

 

(2) 計算結果

波浪計算により求めた台風域内の波高分布を図3.10、二次モーメント周期の分布を図3.11、ピーク波向の分布を図3.12に示す。これらの図は、積分開始後36時間以降の1時間毎の計算結果を利用して、衛星データの風解析同様の手法で得られた図である。以下に図からわかる波高、周期及び波向の分布特性を記述する。

 

 

 

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