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筆者はこれまで観測事実を明らかにする立場から大西洋海域の大気海洋結合系における10年規模変動を1950年以降のCOADS (Comprehensive Ocean-Atmosphere Data Set)を用いて明らかにしてきた。ここでは、1900年以降のGISSTを用いて、これまで示してきた10年規模変動がどれだけrobustなものかを検証する。また、今後神戸コレクションの電子媒体化がもたらす本研究の進展について議論する。

 

2 データと解析方法

GISST (version2.3)1900年から1996年までの経緯1度格子月平均から、北半球冬季(11-4月)経緯2度格子のデータセットを作成し、ここから10年スケール変動を取り出すフィルタを施した。

北大西洋と南大西洋の海域で同時相関をもつシグナルのみを抽出する可能性を避けるために、大西洋を赤道の北側と南側の2つの領域分け、別々にEOF解析を行った。また、期間を全期間、1949年以前、1950年以降の3つの期間に分けて同じ解析を試みた。また、独立なデータとして、経緯5度格子月平均全球地表蔓温度データセット(英国気象局、英イーストアングリア大学作成)を使用した。

 

3 結果

図1に1900/01年冬季から96年間のデータに対するEOF第1モードを示す。グリーンランドの南から南緯50度まで5つの活動中心域が緯度方向に並ぶcoherentな構造を示している。また、2つのEOFそれぞれに伴う2つの時系列は互いによく相関している。相関係数は0.6程度とそれほど高くはないものの、正と負の極地をとるタイミングはよく一致している。

1950年以降のみを対象とした場合のEOF第1モードは上記の結果にほぼ一致する。

 

 

 

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