このような場合、月平均値データの差異が大きくなり、ノイズの拡大につながる。そして、年変化の激しい季節において、温度傾度の大きい海域の気候ノイズは、一層顕著となる。このようなノイズ拡大の要因は、陸上固定点のデータには見られない。従って、COADSデータの気候ノイズを、慎重に考察する必要がある。
ここでは、気候ノイズを構造関数を用いて算定することとする(Gandin, 1963, Yamamoto & Hoshiai, 1979)。気温を例として、その手法を以下に述べる。時間平均boxデータT(t)は、(2)式に示されているように、さらに長い時間にわたる平均値TM(t)と不規則誤差ε(t)の和として表現できる。
T(t)=TM(t)+ε(t)…(2)
DIFFERENCE OF TEMPERATURE DATA OF COADS FROM TANGO

図−3 南方定点データとCOADSデータとの差。この差はCOADSデータを柵成する通報数に関係しないことか留められる。
ここでtは時刻である。εの大きさの統計的算定のために、構造関数S(Δt)を用いる。これは、T(t)とT(t+Δt)の間のmean-sqaurted differenceであり(Gandin, 1963)、次の式で定義される。

ここで、overbarは時間tに関する平均である。(2)式を(3)式に導入すると、次の式が得られる。

ここでは、TM(t)とε(t)との間、及びε(t)とε(t+Δt)との間には、相関はないことを仮定としている。
時系列データから計算できる構造関数S(Δt)を、時間差Δtがゼロの場合に外挿すると、εの統計平均値εo、すなわち気候ノイズが、(5)式により算定できる。
前ページ 目次へ 次ページ