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図2.3.8は、亜熱帯高気圧が(1)正偏差の年と(2)負偏差の年それぞれ6年間の台風経路図である。負偏差年はエルニーニョ年であることが多いので、低緯度東部海域において台風発生数が多い。また、負偏差年には、転向後140E以東に移動する台風が多いが、正偏差年には140E以東に移動する台風が少なく、むしろ大陸方面へ向かうか北上する台風の割合が多い。

 

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図2.3.9 北太平洋の亜熱帯高気圧偏差が高い年と低い年の海面気圧の差 等値線は0.5hPa毎で太線が正偏差、細線が負偏差、ハッチを付した部分は双方の差が90%レベルで有意な地域を示す。

 

図2.3.9に正偏差年と負偏差年の海面気圧の差の分布を示す。図中のハッチを付した地域は、差の有意性が確認される地域である。図から明らかなように、太平洋高気圧の勢力が強い年には、おおよそ10N以北、140E以東の広い範囲において海面気圧が高い。この高気圧が張り出している年には、台風の東方への移動が妨げられると解釈される。

 

2.3.6 まとめ

北太平洋西部における台風活動と周辺環境要素との関連を調査した。以下にその結果を要約する。

(1) エルニーニョ年はラニーニャ年に比較して、中心示度が970hPa以下の台風日数が多く、台風の平均強度が強い。

(2) 成層圏QBOと風の鉛直シアーに関しては、大西洋のハリケーンと各要素の間に見られる顕著な相関関係は北太平洋西部では検出されなかった。

(3) 今回の解析では、北太平洋西部低緯度全体のSSTの年々変動と台風活動との間に有意な関係は得られない。ここでは選択した海域の広さが台風の空間スケールよりも大きいため、海域の選定に問題があったのかも知れない。

(4) 西太平洋熱帯域東部の対流活動が活発な年には、不活発な年に比較して台風日数が多い。また、西太平洋熱帯域西部の対流活動が活発な年には、不活発な年に比較して台風発生数が多くなる傾向にあるが、台風日数に有意な差は得られない。

 

 

 

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