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図2.3.7 ITCZ東部の対流活動が活発な年と不活発な年の500hPa高度の差 等値線は5m毎で太線が正偏差、細線が負偏差、ハッチを付した部分は双方の差が90%レベルで有意な地域を示す。

 

500hPa高度の風は台風の移動経路に関与している(Chan, 2000)。そこで、上述の特徴を確認するため、西太平洋熱帯域東部の対流活動が活発な年と非活発な年の500hPa高度の差の分布を図2.3.7に示した。等値線の幅は5mで太線が正偏差、細線が負偏差を示している。また、0mの等値線は示していない。ハッチの部分は双方の差が90%レベルで有意な地域である。

有意性はないが、活発年は非活発年に比較して小笠原東方が高気圧偏差となっている。また、東シナ海や日本海付近が低気圧偏差となっている。ここでは省略するが、この特徴はOLR偏差の最小年と最大年の差の分布を見るとより顕著に現れている。

この結果から西太平洋熱帯域東部における対流活動が活発な年(不活発な年)には西日本の南海上の500hPa高度では南風偏差(北風偏差)となり、台風の北上が助長(阻害)される傾向にあると考えられる。

また、小笠原付近の高気圧偏差、東シナ海・日本海の低気圧偏差の特徴は海面気圧にも見られる。したがって、小笠原付近の高気圧偏差域は熱帯域を上昇域とするハドレーセルの下降域に相当しているとの見方が考えられる。但し、ここでは分布の有意性は確認されていないので確実なことは言えない。しかし、熱帯域の対流活動によって励起される気圧パターンが、台風の経路に影響を与える可能性があることを指摘しておきたい。

 

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図2.3.8 亜熱帯高気圧偏差が(1)高い年、(2)低い年の上位6年間の台風経路図 ここでは台風が970hPa以下の強度の時のみ示している。図中の○は各台風がその生涯で中心示度の最低値を記録した場所であり、○が大きいほど中心示度は小さいことを示している。

 

 

 

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