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亜熱帯高気圧偏差が小さい年には大きい年に比較して特に140E以東のN970が多くその差は有意である。他に台湾・沖縄付近から東シナ海北部に関しても台風日数が多い。

西太平洋熱帯域東部の対流活動、亜熱帯高気圧活動はそれぞれENSO活動と関与するようであるが、970hPa以下の台風の存在場所に与える影響の特徴は異なる。これは、それぞれの環境要素が台風経路に及ぼす影響が異なることが理由として考えられる。

 

(c) 台風経路の特徴

そこで、以下に各環境要素の上位・下位6年間の台風経路図を示す。例えば、図2.3.5はNino3.4SSTが(1)高温年と(2)低温年における台風経路図である。ここでは各台風の中心示度が970hPa以下の時のみ経路を示している。図中の○は各台風がその生涯で中心示度の最低値を記録した場所であり、○が大きいほど中心示度は小さいことを示している。なお、ここで選択した上位年/下位年は巻末の付録に基づいている。

 

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図2.3.5 Nino3.4SST(1)高温年、(2)低温年の上位6年間の台風経路図 ここでは台風が970hPa以下の強度の時のみ示している。図中の○は各台風がその生涯で中心示度の最低値を記録した場所であり、○が大きいほど中心示度は小さいことを示している。

 

図2.3.5から明らかなように、Nino3.4SST高温年は、低温年に比較して970hPa以下の台風活動が活発である。特に、東部海域おいて発生した台風が強く発達している傾向にある。例えば、20N以南の海域において920hPa以下の台風は高温年(低温年)には19(10)個発生している。その内140E以東の発生数は、低温年が1個に対し、高温年は9個である。

これに関して以下の解釈が考えられる。高温年の場合は対流活動が東に変位した結果、東部海域で台風が多く発生する。発生した台風は低緯度を西へと移動する過程に、海面水温が28℃以上の広大な高温海域を長時間かけて通過する。

 

 

 

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