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事実、北太平洋中央部から東部にかけての10-40N、170E-130Wの海域ではラニーニャ年に比較してエルニーニョ年に海面気圧が有意に低い。ただし、エルニーニョ年以外の年にも気圧偏差が低い年は存在しているので全く同一の現象とは限らない。

 

(b) 台風日数の平面分布

次に北太平洋西部を緯度、経度10°格子に分けて、各格子について、N970と(1)Nino3.4SST、(2)西太平洋熱帯域東部OLR、(3)亜熱帯高気圧のQMDを計算した。結果を図2.3.4に示す。図中の各格子内の数値は台風日数(日/年)であり、上から期間平均値、各環境要素の上位および下位25%グループの平均値、最下段の記号は双方の差の有意性を示している。

 

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図2.3.4 北太平洋西部の緯度経度10°格子における(1)Nino3.4SST、(2)ITCZ東部の対流活動、(3)亜熱帯高気圧に関する970hPa以下の台風日数の

QMD (Quartile Mean Difference) 各BOXの上段は平均値、中段は各環境要素の上位/下位25%年の台風日数の平均値、下段はその差の有意性 ★★★99%レベルで有意、★★:95%レベルで有意、90%レベルで有意。

 

各環境要素の解析期間は異なるが、N970は台湾・沖縄から小笠原にかけての20-30N、120-140Eの海域に特に多く、他海域の1.5〜2倍程度の日数になることが共通して言える。

Nino3.4SSTの高温年は、低温年と比較して10-20N、130E以東の海域で台風日数が平均して5倍以上多い。また、20-30N、120-160Eの海域においても、高温年は低温年に比較して2倍近く多い。しかしながら、フィリピン付近や南シナ海および韓国や日本本土など30N以北の地域には、Nino3.4SST高温年と低温年のN970に有意な差はない。

西太平洋熱帯域東部の対流活動が活発な年はそうでない年に比較して、フィリピン東方、台湾・沖縄近海、西日本付近での台風日数が多くなる。意外にも対流活動が活発な140E以東の海域では10-20N、150-160Eの格子以外、双方の年にN970の有意な差はない。

 

 

 

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