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2.3.5 考察

ここでは、前節の解析の結果、有意な相関関係が得られた台風活動と環境要素(具体的には前節の(1)〜(5))に関して、それらの実態を明らかにし若干の考察を行った。

(a) 台風活動と環境要素の経年変化

まず、台風活動と環境要素の経年変化図を図2.3.1〜図2.3.3に示した。各図の棒グラフ(左軸目盛り)は台風活動を、折れ線(右軸目盛り)は環境要素を表しており、例えば図2.3.1ではNino3.4SSTを実線、SOIを破線で示し、SOIに関しては正負を反転して示している。

 

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図2.3.1 1970hPa以下の台風日数(1)、平均強度(2)とNino3.4SSTおよびSOIの経年変化 棒グラフが台風活動、実線:Nino3.4SST 破線:SOI

 

気象庁の定義(Nino3SST 偏差5ヶ月移動平均値が6ヶ月以上連続して0.5℃以上)によると、1950年以降のエルニーニョ現象は1951、1953、1957、1963、1965、1969、1972、1976、1982、1986、1991、1993、1997年に発生し、ラニーニャ現象は1954、1964、1967、1970、1973、1975、1984、1988、1998、1999年に発生し、それぞれ平均して1年〜1年半継続している。図2.3.1(1)(2)のNino3.4SSTおよびSOIの値はともに気象庁の定義によるエルニーニョ年、ラニーニョ年を的確に表現している。

表2.3.2および表2.3.3の解析結果のとおり、エルニーニョ年(ラニーニャ年)にはN970が多く(少なく)、台風の平均強度は強い(弱い)傾向にある。しかしながら例外は存在する。例えば、1976年はエルニーニョ年であるが、N970は少なく平均強度が弱い。また、1969年はエルニーニョ年であり平均強度は強いがN970は少ない。反対に1994年はエルニーニョ傾向でありN970は多いが平均強度は弱い。

また、Yumoto et al.(2001)が指摘した台風発生数の長期変動と同様に、N970に関しても10年程度の長期変動傾向が見られる。Nino3.4SST、SOIには長期変化傾向は見られないため、N970の長周期変動に関しては他に要因があると思われる。

 

 

 

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