日本財団 図書館


e、f ITCZ西部、東部の対流活動

ITCZの対流活動に関しては、東部と西部で結果が異なる。西太平洋熱帯域東部において対流活動が盛んな年には、台風日数およびN970が顕著に多い。また、970hPa以下の台風発生数が多くなる傾向にある。一方、西太平洋熱帯域西部において対流活動が盛んな年には、台風発生数が多い傾向にあるが、920hPa以下の台風発生数は少なくなる傾向にある。また、平均強度が弱くなる傾向にある。以上のように盛んな対流活動の場所の違いによって、影響を受ける台風活動の要素が異なることは興味深い事実である。

g 北太平洋亜熱帯高気圧

北太平洋の亜熱帯高気圧に関しては、台風の発生数や強度にはあまり有意な関係が得られないが、存在日数に関しては有意な関係が得られた。特に、亜熱帯高気圧が弱い年にN970が顕著に多くなっている。

h 北太平洋西部の風の鉛直シアー

北太平洋では、風の鉛直シアーが大きい年に970hPa以下の台風発生数、N970が多い傾向にあることが分かった(95%レベルで有意)。この結果は大西洋のハリケーンの場合とは正反対の結果である。2.2で述べたように大西洋はENSO、サヘルの降水等の変動により年によって風の鉛直シアーが大きく変動し、それがハリケーンの発生・発達に多大な影響を及ぼしている。一方、北太平洋西部熱帯域の鉛直シアーの年々変動幅は比較的小さい。例えば、エルニーニョ期とラニーニャ期の10-20N、110-160E(台風が多く発生する海域)における風の鉛直シアーに関しては、有意な差は見られない。北太平洋西部では大西洋との環境条件の違いから、風の鉛直シアーが熱帯低気圧に影響を与える要素として顕在化されていないと考えられる。

i NPI

この解析では、台風活動とNPIの間に顕著な関係は得られなかった。

以上まとめると、以下の(1)〜(5)に関してQMD、相関係数とも99%レベルで台風活動と環境要素に有意な相関関係が得られることが分かった。

(1) ENSOと970hPa以下の台風日数

(2) ENSOと台風の平均強度

(3) ITCZ東部の対流活動と台風日数

(4) ITCZ東部の対流活動と970hPa以下の台風日数

(5) 亜熱帯高気圧と970hPa以下の台風日数

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION