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1975年はサヘルが湿潤であったにもかかわらず強いハリケーン日数は少ない。しかしながら、強いハリケーン数は3個でありdry期の平年値(1.6個)より多い。

 

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図2.2.19 西アフリカ地区の個々の観測所における8月の雨量データと大西洋の強いハリケーン日数の相関分布 Gray et al.(1996)より引用

 

サヘルの降水とハリケーン活動の間には長期的な相関関係だけでなく、年々の極めて高い相関関係が存在する。図2.2.19は、西アフリカ地区の個々の観測所における8月の雨量データと大西洋の強いハリケーン日数の相関分布を示している。強大なハリケーン活動とサヘル地域の降水は正の相関関係にあることがわかる。特に西部および中央サヘル地域においては、降水量と強大なハリケーン日数との間に0.50を越える高い相関域が存在する。実際、8月〜10月のハリケーン活動の予測に8月以前の西サヘルの降水量が因子として用いられている。

 

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図2.2.20 西サヘル地域の降水インデックス(SI, Sahel Index)と嵐の鉛直シアーの相関ベクトル図 風の鉛直シアーは200hPaと700hPa高度の風ベクトルの差 破線は風速偏差で、等値線は0.4m/s毎 ハッチを付した部分は相関係数の絶対値が0.4以上(95%レベルで有意)の地域を示している。 Goldenberg et al.(1996)より引用

 

Goldenberg and Shapiro(1996)は、西サヘル地域の降水が多い年にハリケーン活動が活発な理由の一つを、北大西洋地域における対流圏の循環パターンの変動にあると説明している。図2.2.20に西サヘル地域の降水インデックス(SI, Sahel Index)と風の鉛直シアーの相関分布図を示す。双方の相関関係が95%レベルで有意な地域にはハッチを付している。北大西洋低緯度における双方の負の相関関係は、SIの増加(減少)は風の鉛直シアーの減少(増加)に関係があることを示している。大西洋熱帯域における上層の東風の増加がSIの増加に関与しているという事実はLandsea and Gray(1992)によっても述べられている。前節にあるように風の鉛直シアーの強弱はハリケーン活動に大きく関与しており、結果的にSIの変化がハリケーン活動に影響を与えと考えられている。

 

 

 

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