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図2.2.4は風の鉛直シアー(200hPaと700hPa高度の風ベクトルの差)と強いハリケーン発生指数(MHI,Major Hurricane Index、中心付近の最大風速が50m/s以上のハリケーンの発生個数の平年偏差)の相関分布を示している(Goldenberg et al., 1996)。実線(破線)は正(負)の相関を、ハッチを付した部分は相関係数の絶対値が0.4以上(95%レベルで有意)の地域を示している。

 

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図2.2.4 風の鉛直シアーと強いハリケーン発生指数(MHI)の相関分布 化zrの鉛直シアーは200hPaと700hPA高度の風ベクトルの差の絶対値 MHIは中心付近の最大風速が50m/s以上のハリケーンの発生個数の平年偏差 実線(破線)は正(負)の相関を、ハッチを付した部分は相関係数の絶対値が0.4以上(95%レベルで有意)の地域を示している。Goldenberg et al.(1996)より引用

 

図2.2.4より、20N以南の北大西洋熱帯域全体が負の相関係数域であることがわかる。特にハリケーンが多く発生する10〜15Nの海域では相関係数の値が-0.6以下となっている。これは、風の鉛直シアーが平年よりも小さい(大きい)年には、強いハリケーンの発生数が平年よりも多く(少なく)なることを示している。

Gray(1984)によると、200hPa高度において、0-15Nでは東風偏差、20-30Nでは西風偏差であることがハリケーンの発達に好適な条件である。図2.2.5の上図はラニーニャ期(SOI>0.65)とエルニーニョ期(SOI<-0.65)の200hPa風ベクトルの差の分布を示している。下図はエルニーニョ年(1969、1972、1976)における200hPa風ベクトルの平年偏差の分布である。風速のスカラー値が2.5m/s以上の地域には濃いハッチが付してある。

 

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図2.2.5 上図:ラニーニャ期(SOI>0.65)とエルニーニョ期(SOI<-0.65)の200hPa風ベクトルの差の分布

下図:エルニーニョ年(1969、1972、1976)における200hPa風ベクトルの平年偏差の分布 数速のスカラー値が2.5m/s以上の地域には濃いハッチ 上図の薄ハッチは本文を参照 Arkin(1982)より引用

 

図2.2.5上図のように、ラニーニャ期の北大西洋はGray(1984)が述べた環境条件に当てはまる。この時、北大西洋低緯度対流圏上層に高気圧偏差の循環(薄ハッチの部分)が形成され、これがハリケーンの発達に貢献するのである。

 

 

 

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