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図2.2.2 エルニーニョ前年(左図)、当年(右図)における北大西洋のハリケーンの経路図 Gray(1984)より引用

 

エルニーニョ現象時に北大西洋のハリケーン活動が不活発になる原因は、ハリケーン発生域における風の鉛直シアーの増大であると考えられている。

 

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図2.2.3 エルニーニョインデックス(ENI)と標準化した風の偏差の相関ベクトル及び相関係数の分布。等値線の間隔は.2毎であり値は10倍で表示相関係数が0.4以上の地域にハッチを付した。上図は200hPa高度、下図は900hPa高度付近に相当 Shapiro(1987)より引用

 

図2.2.3に、東部太平洋のSST偏差に基づいて計算されたエルニーニョインデックス(ENI)と標準化した風の偏差の相関ベクトルおよび相関係数の分布を示す(Shapiro, 1987)。上図は200hPa高度、下図はATOLL (Analysis of Tropical Ocean Lower Level)と称し、一般的に900hPa高度付近の分布である。ハッチを付した部分は、ENIと風ベクトルの相関係数の絶対値が0.4以上(90%レベルで有意)の地域を示している。

図2.2.3より、200hPa(900hPa)高度ではENIと熱帯域の西風(東風)偏差の相関が高いことがわかる。これは、エルニーニョ現象時の大西洋赤道域では上層で西風偏差、下層で東風偏差となり、結果的に風の鉛直シアーが増大することを示している。エルニーニョ時には、東部太平洋赤道域を対流上昇域とするウォーカー循環が卓越する。上記はこの対流域の東側のセルに対応した現象であると考えられている。

Henderson-Seller et al.(1998)によると、北大西洋ではエルニーニョ時に、上層の強い西風によって対流圏の風の鉛直シアーが強まり、その結果、ハリケーンの発生は抑えられる。

 

 

 

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