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2.2 熱帯低気圧の活動に関する既存知見

この節では、主として北大西洋において発生するハリケーンおよび北太平洋西部において発生する台風に着目し、熱帯低気圧の活動と周囲の環境要因の関わりについて、これまでの文献に示されている知見をとりまとめた。

 

2.2.1 エルニーニョ現象と熱帯低気圧の活動

(a) 北大西洋のハリケーンの場合

Gray(1984)は、エルニーニョ現象が発生している時の大西洋におけるハリケーン活動は活発でないことを述べている。図2.2.1はエルニーニョ年と非エルニーニョ年の北大西洋のハリケーン日数を示している。ハリケーン日数は、中心付近の風速が34m/s以上の熱帯低気圧が存在した日数として定義されている。ハリケーンが同時に2つ存在する場合は、ハリケーン日数を2日とカウントしている。

 

HURRICANE DAY BY YEAR

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図2.2.1 ハリケーン日数の経年変化 各ヒストグラムの頂点の数値は日数で、太いヒストグラムはエルニーニョ年を示す。Gray(1984)より引用。

 

図2.2.1から明らかなように、エルニーニョ年におけるハリケーン日数は最大27日であり、非エルニーニョ年の日数に比較して少ない。エルニーニョ年と非エルニーニョ年のハリケーン日数の平均値(日/年)は、それぞれ10.9と23.2、ハリケーン発生数(個/年)は、それぞれ 3.0と5.4、ハリケーンと弱い熱帯低気圧を合計した熱帯低気圧の発生数(個/年)は、それぞれ5.3と9.0である。

図2.2.2には、エルニーニョ前年および当年それぞれのハリケーンの経路を示す。ここでは省略するが、エルニーニョ後年の経路図は前年に類似している。エルニーニョ年(当年)は、前年・後年に比較してハリケーン発生数が少ない。特に、カリブ海を東から西へ横切るハリケーンの頻度が極めて小さくなる。

 

 

 

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