第2部 海洋変動と台風活動に関する調査
2.1 概要
台風はその規模や頻度から見て、最も人的被害、経済的ダメージを人間社会に与える自然災害の一つである(防災白書平成12年度版)。したがって、地球温暖化などによる気候変動に伴い台風の発生数、強さ、活動域がどのように変わるのかを正確に予測することは、人間社会の平穏を維持する上で非常に重要な研究課題である。既に、GCM (General Circulation Model)を用いた数値シミュレーション結果が報告されているが、モデルを用いた研究と共に過去における現象の特徴を正確に把握しておくことも不可欠である。
本章では、まず、気候変動と熱帯低気圧の活動の関連性を既存の文献にて調査した。また、北太平洋西部赤道域にて発生・発達する台風の変動と当該海域における海洋気候の変動の特徴を明らかにし、双方の関係について予備的な解析を試みた。以下、2.2節ではとりまとめた文献の要約を紹介し、2.3節では、大西洋のハリケーンの研究事例に倣い、台風活動と海洋変動の関係について調査した結果をまとめた。