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特に、ファンゴ事業は別府の温泉や泥を用いたエステの事業化であり、将来収益の高い事業として発展するものと期待される。

「別府ONSEN地療法研究会」はエステそして糖尿病等の医療事業が事業として発展しつつある。

その一環として2001年10月から3回にわたり、「別府ONSEN地療法健康づくり塾」を行った。

「温泉と運動」、「温泉と栄養」そして「温泉と美容」とテーマを設けながら各回3日間8名の参加者とともに開催した。各回ともテーマに沿った講習会や体験学習が盛りだくさんで充実した内容であった。いままでの温泉地にはないユニークな試みで、保健所が民間と共に考え共に地域のために努力したということで高い評価をうけた。また検査数値に表れない、リラクゼーション効果が大切だと、参加者から指摘を得た。

これら双方の事業は温泉を利用した医療、スポーツマッサージそしてエステを含む美容であり近い将来収益性の高い事業の可能性を見出すことができる。これにより、他の温泉地との差別化が生まれ、観光客だけではなく、エステやボディーケアのためのスポーツ選手の誘致となると考えられる。

当該事業は期間内に収益事業を起業することはなかったが、上述のような将来に向けての事業が起きつつあると言える。

しかし何より当該事業が及ぼしたものは、別府の市民の意識改革と人材発掘といえる。

当初数人の方の熱意で始まった事業が、インターネットやメールによる告知や報告により、多くの市民が実質的に参加してきたことである。

当該事業とは直接関係ないものの、別府の八湯や飲食店を紹介した「別府八湯温泉本」の出版や、ロンドンで観光客を案内し続けている“London Walker”に似た「別府八湯ウォーキング」の運動など地域と観光客に密着した活動が生まれてきたのもその一つである。

事業当初掲げた3つのテーマは、3年間で実現するには大きすぎ、全てを実現することは出来なかったが、別府の活性化と国際化には大いに貢献したと言える。

しかしながら、これらの事業を継続し、収益性の高い事業に育てあげ、観光客の別府への集客力及び別府経済に寄与することがより一層重要であり、これからのテーマとなるであろう。

当該事業に係わった優秀な人材がより一層活動し、大分県別府市を活性化し、世界の中の「別府ONSEN」となることを期待している。

 

 

 

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