日本財団 図書館


2. 事業評価

大分県別府市は、温泉を利用したリゾート都市として世界に希有な存在にもかかわらず、観光客の生活の変化、別府市内の建物・道路等の老朽化そして経済状況の変化のため、近年観光客の減少が見られていた。

別府では、このような状況を打破し、別府の文化と伝統を継承しつつ21世紀の新たな別府、新たな温泉都市を再構築しようと模索していた。

「別府ONSEN文化国際交流事業」は、このような状況の中1998年7月31日に交通エコロジー・モビリティ財団よりモデル事業として指定され、同財団と別府市旅館組合連合会の主催により実施された。

同年9月には実行委員会を開催し、「世界に学ぼう別府」、「世界に知らせよう別府」そして「世界と創ろう別府」をテーマに3年間の事業として実施した。

ここでは、その中の主な関連事業を挙げ、順次評価してみる。なお参考として章末に詳しい年表を添付している。

当該事業では、主に「国際交流」と「温泉と地域づくり」を評価することが出来る。

前者は当該事業に協力をする海外のキーマンの発掘と地元経済を担う人材の育成を目的としていた。

海外からの招請は1998年11月の「別府八湯ONSEN文化国際交流ミーティング」そして同年12月において、世界各国から温泉文化と地域づくりに関係した人を招請した。

また1999年11月第2回「別府八湯ONSEN文化国際交流ミーティング」を開催した。

このミーティングでもヨーロッパ各国から関係者を招請し、「ONSENを利用した医療、美容、産物」に対する取り組みについて検討した。この期において、別府における事業の具体案が生まれてきた。

1999年6月、2000年7月に別府から「温泉と医療・美容そして産物」との関わりを研修にヨーロッパ各国に行った。

これら2回のミーティングと海外研修により、海外で温泉と地域づくりに係わってきた人と別府との交流を持つきっかけとなった。このことは、将来にわたり別府をサポートするキーマンを発掘したという重要な意味を持っている。

当該事業3年間の具体的活動として、1999年12月「国際ビジネスネットワーク」と2000年4月「別府ONSEN地療法研究会」が設立された。

前者は、2000年4月日本貿易振興会(JETRO)の「ミニLocal to Local」産業交流事業に指定され、アバノ(イタリア)のワインの輸入そしてファンゴ開発事業を行なった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION