ブルーノ・ファブリ博士(イタリア)
<医療的見地から、別府における温泉資源活用の展望>
・別府の魅力は、空気・土地・水・火の4つのバランスが取れていることだと思う。水=10種類の異なった温泉水があり、火=火山エネルギーが近くにある。土地=ファンゴが豊富にある。空気=多くの温泉場に噴出している蒸気が見られ、非常に温泉資源の豊富な所だと思う。イタリアの大学で温泉医療を専攻したが、テキストブックに載っていた日本の温泉地は別府だけだった。実際に別府のように温泉資源の豊富な町は少ない。資源が豊富なので、別府にとって金の鉱山に例えても良いと思うが、採掘して分析してみなければその価値は分からない。温泉も入浴に利用するだけでは、そこに眠っている価値が実際に分かったとは言えない。
・10種類の豊富な温泉水と、少なくとも4種類の異なった泥がある。その1種類については、デモンストレーションでも使わせていただいた。今、重要なのは、温泉水と泥の質について科学的な分析を行い、ファンゴを作るにあたって、どの温泉水と泥が一番良いコンビネーションとして利用できるかを確かめることである。
・通常、医療と美容はそれほど繋がったものではないが、皮膚に関してはかなり共通な部分がある。医療が中・高年以降の人に多くかかわるとすれば、美容は若い層に、より関係があるかもしれない。
・医療・美容を含むような、一つの有効なプロジェクトを組むことが必要である。別府は日本で一番有名な温泉地であると思うし、世界にも別府の価値を認めさせていかなければならない。1]どのようにして組織体を作っていくか、2]医療だけでなく、どのような美容に関する利用を行うか、美容関連の製品を作るか、その産業活動が別府に対して、かなりの寄与をするのではないか。その点について、そこで働く専門職の質の高いオペレーターを育成していくことが、別府がこれからの日本で伸びていく重要なポイントになると思う。
・温泉資源は、ますます活用されていかなければならない。私とペッツァートは、別府との友好関係を一層深め、協力関係を築いていきたい。我々がこれまで培ってきた経験を、別府の大きなプロジェクトのために役立て、別府が有する温泉資源を活用するために、協力していく心準備がある。