3] 美容製品の商品開発について
・クリームは普通、温泉水と媒体となる要素から作られる。これはエステではそれほど重要な面はもっていない。我々は、外側の容器となる部分にイノベーションを加え、温泉水・泥をクリームに用いて、それをよりアクティブにしていくという考え方で製造している。“アクティブな温泉のマトリックス”という呼び方をしている。温泉泥・水の中に含まれるオリゴエレメント(希少エレメント)をアクティブな状態にしていくことで、温泉を使ったアクティブマトリックスが本質的に寄与していくことになる。
・T&Tは大学の研究にもとづき、「TERME DI ABANO」という製品ラインを生産している。泥をどのように美容に使うか?我々が泥を使った製品を開発していくにあたっては、厚生省が非常に厳しい指標を定めている。あくまでも美容に関する効果を対象にしており、化粧品を使って美容以外の効果を宣伝することは絶対にできない。
・アバノの泥の特性を分析し、化学成分・物理成分を定め、それをベースにして製品を作っている。(具体的には「藻」を利用している。)泥の成分を分析すると、いろいろな薄い層の重層状態になっており、その特性で重要なのは、多量の水を吸水できることである。水分を吸収し、それを逆に皮膚に与える能力を持っている。
・我々が使っているファンゴは、界面のような働きをしている。まず一番重要な要素である水を吸収し、皮膚の上で科学的作用が起こって、それが押さえつけられるような力を受け、皮膚にそれまで自分が吸収していたものを与える。そして10〜15分位後に逆作用が起こり、皮膚を通し、体内に含まれていた毒素や余分な水分などを吸収する。
・新しい技術システムを使い、T&Tが作っているアクティブサーマルマトリックスというシステムが、泥の中に含まれている希少エレメントのアクティブな要素を倍加し、更に強いものにしていく。
・これまでの研究は、長い年月とコストがかかるものであった。有効性を明らかにする研究にもとづき、別府にある豊富な温泉水の治療的要素を証明し、利用していければ良いと思う。
・ここで言う美容とは一般的な意味においてではなく、“温泉の資源を使った美容”ということ。このプロジェクトは非常に重要でおもしろいものであるし、いろいろな新しいものを刺激していくと思う。また、プロジェクトが厳密なやり方のもとで協力を得られれば、衛生、温水など様々な研究を進めていく中で、満足のいくものになるだろう。