・アバノのファンゴ(泥)は、塩素・臭素・ヨウ素を含有している温泉水の槽の中で、6ヶ月間寝かせて熟成させる。この間に重要なのが「藻」の働きで、治療にとって非常に重要な科学的・物理的構成の変化をもたらす。特に炎症に対して非常に有効であると考えられている。
・幾つかの槽の中にファンゴを寝かせ、1つの槽で1回のシーズンに使用するだけの十分な量を熟成することが出来る。使用後はリサイクルする。
・熟成後、47〜48℃で患者さんの皮膚にパックしていく。温かい温泉泥と皮膚との直接のコンタクトが治療効果を生む。血液循環を良くし、関節系統に対して効力を発揮する。
ファンゴの適用を15〜18分した後、シャワーを浴びて休憩する。その間に温泉水(ジャグジーなど)に約10分間浸かる。治療の第3段階でマッサージを行なう。
治療は医師の処方箋に応じて、トータルな形でも部分的な形でも出来る。温泉泥を使って悪影響がないかを検査しながら処方箋を作る。
・温泉設備のある全ての施設が、医師の管理のもとに置かれている。温泉治療は、非常に医学的見地で見られており、医療・外科等の6年の大学コースを終了後、4年間にわたり、このような温泉治療に対するコースを受ける。
・温泉水のもう一つの利用方法として、スチームのインハレーション(吸入)があり、呼吸器系・気管支系の病気に対する治療法となっている。
・イタリアでは、80年間ずっと変わっていなかった温泉に関する法律が改定され、温泉をリハビリに使用するという法律ができた。温泉業界にとって、将来のキーポイントになる業種であると思量する。
2] 別府における温泉資源の活用方への提言
・昨年初めて別府を訪れた時、水質の多い、豊富な温泉の資源を感じた。
今回色々な種類の温泉水と泥を見て、科学的・物理的構成を分析し、確定していくことが重要だと思った。
別府においては、治療に利用するにあたり、どのような温泉資源を使っていくか、患者に対して、どのような利活用が出来るのかを見極める必要がある。