そのため、小売業者などにかかる負担が大きいとともに、小売業者などの規模や回収の仕組みによって業者間に格差が生じる可能性があり、よりコストを抑えるための様々な回収方法が実施される可能性がある。よって、ここでは、現在までに考えられる内容についてまとめるものとする。
(1) 家電リサイクル品の1次輸送の流れ
家電リサイクル品が回収されて指定引取場所に持込まれるまでの流れは、大きくわけて以下の2つのパターンになる。
1] 小売業者が排出者から回収して指定引取場所に持込む場合
家電製品の買い換えによって発生する可能性が高く、代替購入の製品を届ける際に家電リサイクル品を回収する可能性が高い。回収方法としては、販売物流の帰り便を利用することが可能であり、大きなコスト負担にはならないと推測される。
また、小売業者から家電リサイクル品の収集運搬の委託を受けた業者は、一般廃棄物及び産業廃棄物のどちらかの許可を受けていれば一般廃棄物としての家電リサイクル品も産業廃棄物としての家電リサイクル品も運搬が可能となっているため、小売業者として既存の収集運搬業者を利用して回収システムを構築しやすいものと考えられる。
2] 市区町村が排出者から回収して指定引取場所に持込む場合
指定法人ルートのなかで、製造業者や小売業者の対応することが難しい地域については、市区町村などが、家電リサイクル品の回収を行うことがある。