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今回の実験で記録された加速度データについて、輸送距離100kmあたりの発生回数を確認すると、内航コンテナ船が2.0回/100kmと最も少なく、陸上トラック輸送が339.7回/100kmと最も多くなった。

 

図6.10 輸送距離100kmあたりの1.0G以上の加速度発生回数

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(3) 輸送モード別振動衝撃測定結果のまとめ

製品の輸送であれば、緩衝包装によって輸送中の事故が発生しないようにするが、家電リサイクル品については、包装に費用をかけることは難しく、無包装による輸送を実施する必要があると考えられる。

そこで、今回の無包装の実験輸送において、テレビのブラウン管の割れなどにより、輸送や荷役の障害となるような状況が起こるかについて確認する必要があった。

今回の実験では、コンテナ荷役作業によって多くの衝撃が加わったが、テレビのブラウン管が割れるなどの事故は発生しておらず、十分に海上輸送が可能であることが確認された。

また、記録された加速度データを記録回数と輸送距離との関係で評価すると、図6.10に示したように、内航コンテナ船や台船が、フェリー輸送や陸上輸送よりも記録回数が少ない。このことから輸送中の振動は陸上輸送の距離に比例して増加する傾向にあり、陸上輸送距離が短い内航コンテナ船や台船は輸送中の振動が少なく有利であることが確認された。

 

 

 

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