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フライブルクのカーシェアリングは分散型で、オフトテンブルグ、フルトバンゲン、ドナウヴィッシュなどに地点がある。(資料3-13参照)分散型というのは、それぞれの地域でどういうタイプの車両をカーシェアリング・システムとして揃えるかということを、自分達の裁量で決定していくことを意味する。地元のニーズに併せられるよう、地元に任せているのである。フライブルクは本部であり、組織の運営と車両の購入をしている。予約センターもあり、ここに申し込みをする。

フライプルクのカーシェアリングのユーザーであれば、資料3-13の様々な地域のどの車にも、同じIDカードでフリーアクセスできる。このIDカードを公共交通機関の定期券とリンクさせるのが現在の目標である。

もうひとつの特色は、モビリティセンターを順次作っていき、それらをリンクさせる計画を持っていること。モピリティセンターは駅に設立しようと考えている。 ドイツでは鉄道の利用者が少ないので、駅は寂しい所になっている。この計画により再活性化をめざしたい。モビリティセンターの役割としては、公共交通の情報を与えることを想定している。というのは、調査によれば、現在、80%のドイツ人が公共交通網の情報を入手できていないという。モビリティセンターでの情報提供を通してマイカーよりもっといい方法があるということを人々に訴えていきたい。カーシェアリングとレンタカーの大きな違いは、カーシェアリングの方がフレキシブルだという点である。カーシェアリングでは、時間単位、1日、あるいは数週間単位で借りても構わない。組合員になっていれば車が必ず手に入る。予約はインターネット又は電話で可能り 予約して家を出て角を曲がるとそこに車がある。希望者は一時金を支払えば誰でも組合員になれる。月当りの会費はとても安くなっている。

利用料金は35〜55ペニヒ/km(20〜30円)、2〜4マルク/時間(120〜240円)となっている。カーシェアリングの車は、小さい車からバスまで様々のものがある。カーシェアリングのユーザーは、メンテナンスや洗車をする必要がない。ただ、快適なドライブを楽しめる。

利用するときは、以前は鍵を受け取って車に乗っていたが、最近は電子ロック式になっており、さらに、車の利用情報が無線でセンターに送られる。センターはその情報に基づきユーザーに料金の請求をするというシステムが出来上がっている。

まず、予約センターから車に予約の情報がいく。車には小さなコンピューターが搭載されていて、非接触型カードでドアが開く。車を使うと様々なデータがセンターに自動的に無線で送られる。そして、センターからユーザーに請求がいく。コンピュータの導入で益々カーシェアリングの利便性が増した。

 

カーシェアリングの将来性と現在の評価について述べたい。

先程、カーシェアリングの車1台でマイカー20台分の働きをするといったが、さらに洗練すれば50台分なると考えている。ある調査によると、ドイツでは人々の移動距離は5km未満が60%、さらにそのうちの80%が3km以下の移鋤距離にとどまっていた。これは徒歩あるいは自転車でも移動可能な距離である。

フライブルクのカーシェアリング組合員の車の使い方を見ると、移動距離5km 以下ではカーシェアリングでも高コストのため、徒歩又は自転車に切り替えている。

現在カーシェアリングについて終了した研究はないので、評価も確定していない。環境に本当に良いことかどうかには賛否両論ある。しかし、人々の意識をかえるのには非常に役に立っているということはわかっている。より環境意識の高い生活行動しようをしようというきっかけになっているのは確かである。これまで、ドイツ人はすぐ近くに行くのにも車を使っていた。

 

 

 

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