イ. ドイツにおける車の(少)ない住宅地の試み
・住宅建設の際には各戸に1.0から1.5台の駐車場を整備しなければならない駐車場付置義務があるドイツにおいて、最近車庫法の例外規定を勝ち取って、これまでのような車に依存しない街区の住宅建設が可能となり、関心を集め始めている。
・ドイツの最初の例は、1995年、ブレーメンのホラランドと言われているが、高級路線で打ち出したためか、あるいは、車を永遠に厳しく使えないようにしたためか、事業としては成功しなかった。同様に、フライブルグ郊外のリーゼルフェルトは、車のない街区とコミュニティ形成という新しい住空間の提案であったが、ここも車を放棄しなければならないため、事業化に至らなかった。
・成功するためには、将来必要なときに使える可能性も残すというフライブルグ郊外のヴォバンで進められているような工夫が、市場性の点から重要であることが認識されてきた。
・地球温暖化への関心、カーシェアリングの普及と公共交通サービスの存在、これまでのような車に依存する生活の見直し気運等が、この動向を支えている。