3) カーシェアリングの事例検討
1] ドイツのカーシェアリングの現況…南バーデン地方フライブルグの事例を中心に
(フライブルグのカーシェアリング組合の責任者M.M.リュプケ氏資料より)
ドイツには総数4,000台の自動車があるが、60%の人が5km未満の走行のために車を使い、そのうち80%が3km以下というデータがある。現在でも30%の人が車を所有していないが、カーシェアリングの普及により180万台の車が不要になるとの予測がある。
○ドイツのカーシェアリング全般について
―歴史 1986/87年 チューリッヒで最初の組織的なカーシェアリングがスタート
数か月後ベルリンでも開始
1990/91年 3組織が設立(ブレーメン、アーへン、フライブルグ)
―現在 190都市に71の運営組織がある。約10ヶ所のセンター。
2,000台の車、40,000人の会員がいる。
○フライブルグのカーシェアリング
フライブルグ 人口約20万人、環境都市として有名
南バーデン地方全体をカバーする。センターは一ヶ所でフライブルグ。
会員は南バーデン地方1,500人、フライブルグ200人(99年には40%増)
車両は南バーデン地方100台強、フライブルグ55台。
車両は小型車からバスまである。
デポはフライブルグに30ヶ所、南バーデン地区では一ヶ所1-2台が多い
保険は通常車両保険(レンタカーより丁寧な利用が認められた。)
当初より30人/台。予約は通常30分から2時間前がほとんど。
センター機能は、主に、運営と車両の購入、予約
月当たり会費を安く抑え、35-55ペニヒ/km(20-30円) 2-4マルク/時間(120-240円)従業員6人。
―特徴 組合形式で組合員が決定権を有している。
カーシェアリングのセンターはフライブルグ駅横のモビリティセンター内(交通に関する情報提供、チケット手配、貸し自転車、駐輪場、カフェ等の機能を持つ。)にある。
デポ一ヶ所に1-2台として歩行距離を短くしている。(ベルリンでは最大30台収用のデポ5ヶ所がある。歩行距離が長いという問題がある。)
基本的に地域単位で考えている。地元にニーズに合わせ、地元で運営した方がよい。(全国展開を試みた他社は倒産)
会員の90%は大学卒等高学歴であることが特徴的
公共交通の定期券とカーシェアリングのIDカード、タクシーの割引の3つの交通手段を連携するモバイルカードというプロジェクトがある。
(南バーデンの定期券は月65マルク)