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2] アメリカ・ポートランドでのカーシェアリングCSPの試行

CSP: Car Sharing Portland

アメリカでは、駅端末に置いてある電気自動車を公共的な性格を有する交通手段として共同利用するステーションカーという試行がある。パーク&ライド型共同利用といういうようなこのステーションカー計画はサンフランシスコで1994年から行われ、現在では実験のステップもあがり全国で70カ所以上で行われている。

特に、駅や飛行場などの端末交通として、シングルポートばかりでなく、大学構内などでマルチポートの実験も行われてきている。

しかしながら、車を共同で保有することことに端を発しているカーシェアリングは、80年末にサンフランシスコで一度失敗しているように中部ヨーロッパのように普及していなかった。当社のホームページにもEuropean Car Sharingの説明からあるように、ヨーロッパと全く同じコンセプトでアメリカで展開する最初の試みである。1997年から事業計画を検討し、試行を開始している。

 

○事業(CarSharing Portland, Inc.)の沿革

1997/1 Oregon Department of Environmental QualityがBicycle Transportation Allianceに委託(同Allianceはコンサル2社に再委託)して市場フィージビリティー調査と事業計画調査を実施。州、市、民間企業等からなる委員会がこの調査を指導。

1997/7 「市場フィージビリティー調査報告書」と「事業計画調査報告書」が完成

1998/3 カーシェアリングのパイロット・プロジェクトを実施。

〜1999/2 プロジェクト終了時の規模: 車両数9台、駐車場7ヵ所、会員数110人

1999/7 パイロット・プロジェクトの評価をした「1年目のレビューと分析」を提出。

パイロット・プロジェクト終了後も事業を継続。電話自動予約スケジューリングシステムの導入、料金体系の改訂等を経て、2000/8現在車両数20台、駐車場18ヵ所、会員数300人以上に拡大。さらに事業拡大の方針。

 

○主な資金支援

・Oregon Department of Environmental Quality (収支予想の1年目に記載)

・U.S. Environmental Protection Agency(「1年目のレビューと分析」に記載)

・Oregon Office of Energy(1年目。「1年目のレビューと分析」に記載)

 

○その他の支援者

・1980年代にサンフランシスコで実施されたカーシェアリング実験(STARプログラム)の経験者が本プロジェクト期間中General Managerを務めた。

・スイスのカーシェアリング創始者の一人でもあったC.ワーグナーが招かれコンサルタントを務めている。

・レンタカー会社Budget Group, Inc.の子会社がカーシェアリング車両のリースと運営上の支援を行っている。

 

 

 

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