1.3 作業手順
原案作成作業は次の手順に依った。
1) 学識経験者によるコメント依頼
原案作成作業に入る前に、今後の開発を円滑に進めることを目的として、検討委員会案に対してデザイン学研究の立場から、「日本デザイン学会」にコメントを依頼した。
内容:検討委員会提示の候補図形案と表示事項に対する専門的、学術的な意見
:必要な項目のデザイン改善案
2) 図記号造形専門家の選出
専門家の推薦、制作及び制作監理等にあたっては、サインや図記号等の視覚表現を研究する国内の代表的な団体である「社団法人日本サインデザイン協会(以後、「SDA」という。)」に委嘱した。検討委員会では、SDAより提出された推薦者リストに基づき、平成12年2月15日に開催された検討委員会ワーキンググループで討議の結果、第1候補の中川憲造氏/NDCグラフィックスに作業を依頼することに決定した。
3) 図記号作成及び監理
作業を受託したSDAでは、特に次の点に留意して作成、監理業務に取り組んだ。
・視認性を確保するため、“ムダのない単純図形”の限界を探る。
・特に人物に“生き生きとした表情”を表現して、意味伝達力を高める。
・全体として、“現代的で洗練されたオリジナリティー”を表現する。
4) 検討委員会への成果物の提出
完成した成果物はSDAにより検討委員会ワーキンググループへ提出され、検討委員会本委員会の承認を得たものを図記号原案とした。
1.4 造形の特徴
検討委員会ワーキンググループの図材選定と監修のもとに、SDAと中川憲造氏/NDCグラフィックスにより造形された図記号の主な特徴を次に示す。
1) 無駄のない単純図形
・例:お手洗
ISO7001、アメリカ運輸省(AIGA)の図形との整合性を考慮し、単純な線で男性はより男性らしく、女性はより女性らしく表現した。