第2章 調査研究の経緯
1. 図記号原案の作成
1.1 図記号原案作成の趣旨
図記号が多数の支持を得て統一的に使われるためには、何よりも見やすく分かりやすい図形であることと共に、造形水準の高いことが条件となる。そこで、今回は特に次の項目を基本として、原案作成を専門家に委嘱することとした。
1) 幅広い利用者にとって、見やすく、わかりやすい図形であること。
2) 図形間に整合性があり、スタイル上の統一がとれていること。
3) 審美性において、国際的にも評価される水準にあること。
1.2 与条件の整理
原案作成に関して、次の与条件を定めた。
1) 委嘱範囲
図形表現は専門家に依頼するが、図材選定及び意味性において問題があると思われるものは検討委員会で審議する。
2) 既存規格との整合
JIS化を考慮して既存JISと規格間の矛盾がないようにする。
3) 図記号制作のためのデザイン基準
図記号制作段階におけるデザインの基準は、JIS Z 8250「図記号通則」、ISO/TR7239「一般案内用図記号を使用するための制作及び原則」等を参考にする。そこでは、図記号の視覚デザイン基準、図形と枠との間の相互作用、図記号の大きさ及び色調の対比等が述べられている。また、出来上がった図記号を使用する際の基準(図形の最小寸法や色彩、コントラスト等)については、成果物の「使用上の注意」として添付する。
4) 禁止・注意・指示の基本形状の適用

5) 記号を用いる図記号の外形
「?」「i」「P」「\」は、記号であることを明確にするため、外形を円で囲む。
6) リバーサル図形の扱い
図記号は、安全、禁止、注意、指示図記号を除き、白地に黒色の図材を原則とするが、反転(リバーサル)の状態で使用されることもあるので、その旨、配慮して制作する。
なお、反転作業は委嘱作業に含まない。