3 旅客施設に隣接しており、かつ、旅客施設と一体的に利用される他の施設の傾斜路(第六項の基準に適合するものに限る。)又はエレベーター(第七項の基準に適合するものに限る。)を利用することにより高齢者、身体障害者等が旅客施設の営業時間内において常時公共用通路と車両等の乗降口との間の移動を円滑に行うことができる場合は、前項の規定によらないことができる。管理上の理由により昇降機を設置することが困難である場合も、また同様とする。
4 移動円滑化された経路と公共用通路の出入口は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 有効幅は、九十センチメートル以上であること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、八十センチメートル以上とすることができる。
二 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 有効幅は、九十センチメートル以上であること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、八十センチメートル以上とすることができる。
ロ 自動的に開閉する構造又は車いす使用者その他の高齢者、身体障害者等が容易に開閉して通過できる構造のものであること。
三 次号に掲げる場合を除き、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
四 構造上の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
5 移動円滑化された経路を構成する通路は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 有効幅は、百四十センチメートル以上であること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、通路の末端の付近の広さを車いすの転回に支障のないものとし、かつ、五十メートル以内ごとに車いすが転回することができる広さの場所を設けた上で、有効幅を百二十センチメートル以上とすることができる。
二 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 有効幅は、九十センチメートル以上であること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、八十センチメートル以上とすることができる。
ロ 自動的に開閉する構造又は車いす使用者その他の高齢者、身体障害者等が容易に開閉して通過できる構造のものであること。
三 次号に掲げる場合を除き、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
四 構造上の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
6 移動円滑化された経路を構成する傾斜路は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
一 有効幅は、百二十センチメートル以上であること。ただし、段に併設する場合は、九十センチメートル以上とすることができる。
二 こう配は、十二分の一以下であること。ただし、傾斜路の高さが十六センチメートル以下の場合は、八分の一以下とすることができる。
三 高さが七十五センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ七十五センチメートル以内ごとに踏幅百五十センチメートル以上の踊り場が設けられていること。
7 移動円滑化された経路を構成するエレベーターは、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 かご及び昇降路の出入口の有効幅は、八十センチメートル以上であること。
二 かごの内法幅は百四十センチメートル以上であり、内法奥行きは百三十五センチメートル以上であること。ただし、かごの出入口が複数あるエレベーターであって、車いす使用者が円滑に乗降できる構造のもの(開閉するかごの出入口を音声により知らせる設備が設けられているものに限る。)については、この限りでない。
三 かご内に、車いす使用者が乗降する際にかご及び昇降路の出入口を確認するための鏡が設けられていること。ただし、前号ただし書に規定する場合は、この限りでない。
四 かご及び昇降路の出入口の戸にガラスその他これに類するものがはめ込まれていることにより、かご外からかご内が視覚的に確認できる構造であること。
五 かご内に手すりが設けられていること。
六 かご及び昇降路の出入口の戸の開扉時間を延長する機能を有したものであること。
七 かご内に、かごが停止する予定の階及びかごの現在位置を表示する設備が設けられていること。
八 かご内に、かごが到着する階並びにかご及び昇降路の出入口の戸の閉鎖を音声により知らせる設備が設けられていること。
九 かご内及び乗降ロビーには、車いす使用者が円滑に操作できる位置に操作盤が設けられていること。
十 かご内に設ける操作盤及び乗降ロビーに設ける操作盤のうちそれぞれ一以上は、点字がはり付けられていること等により視覚障害者が容易に操作できる構造となっていること。
十一 乗降ロビーの有効幅は百五十センチメートル以上であり、有効奥行きは百五十センチメートル以上であること。
十二 乗降ロビーには、到着するかごの昇降方向を音声により知らせる設備が設けられていること。ただし、かご内にかご及び昇降路の出入口の戸が開いた時にかごの昇降方向を音声により知らせる設備が設けられている場合又は当該エレベーターの停止する階が二のみである場合は、この限りでない。
8 移動円滑化された経路を構成するエスカレーターは、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。ただし、第七号及び第八号については、複数のエスカレーターが隣接した位置に設けられる場合は、そのうち一のみが適合していれば足りるものとする。
一 上り専用のものと下り専用のものをそれぞれ設置すること。ただし、旅客が同時に双方向に移動することがない場合については、この限りでない。
二 踏み段の表面及びくし板は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
三 昇降口において、三枚以上の踏み段が同一平面上にあること。
四 踏み段の端部とその周囲の部分との色の明度の差が大きいこと等により踏み段相互の境界を容易に識別できるものであること。
五 くし板の端部と踏み段の色の明度の差が大きいこと等によりくし板と踏み段との境界を容易に識別できるものであること。
六 エスカレーターの上端及び下端に近接する通路の床面等において、エスカレーターへの進入の可否が示されていること。ただし、上り専用又は下り専用でないエスカレーターについては、この限りでない。
七 有効幅は、八十センチメートル以上であること。
八 踏み段の面を車いす使用者が円滑に昇降するために必要な広さとすることができる構造であり、かつ、車止めが設けられていること。
第二款 通路等
(通路)
第五条 通路は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。