こうした車両の他に、歩行困難の程度が軽い人のための乗用車、およびピープルムーバーという6人のりの車両を保有している。こうした車両はいずれも緊急ではないため、青い回転灯やサイレンはつけられていない。
(5) 送迎の予約から利用まで
1] キングス・カレッジ病院の出張所
具体的にアンビュランスの業務を説明するために、病院内に置かれた配車センター(ステーション)である、キングス・カレッジ病院(King's College Hospital)配車センターの事例について述べる。同病院はロンドンでも有数の大規模病院で、送迎する患者が多いために配車センターを設置して効率的に対応している。キングス・カレッジ病院には、LASのサイトマネージャー(他のステーションも兼務)および、2名の予約・配車担当者が常駐している。一日に10台程度が稼動している。
LASでは効率的な配車を行うために、以前はロンドン市内に4ヶ所設けていた配車センターを整理し、病院ごとにステーションを設置した。現在は26ヶ所のステーションがあり、それらを管理するための地域センターが3ヶ所設けられている。
2] 予約とスケジューリング
予約はファクシミリで行われる。当初は電話で行っていたが、間違いを避けるために記録が残せるファクスにしている(本資料の最後に予約票のサンプルあり)。通常の予約は、医師が通院の必要日数や予約時間を決定しているので、医師自らが行う。または看護婦やヘルパー、事務関係者などが行う場合がある。また、家庭医が大病院に患者を紹介する場合も、その医師が病院に連絡して予約を行う。受け付けは前日の午後3時までに行う。受け付けを入力するコンピューターと、配車計画を組むコンピューターがあり作業を分担している。
利用予定日の前日にコンピューターが以下のデータを作成する:
1) 患者の氏名
2) 迎車時間
3) 患者の自宅住所
4) 目的地となる病院