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c. STSの有資格者の状況

市内の高齢化率はおよそ16%、STSの有資格者はおよそ5%である(表5-4-3-3)。そのうち約70%が65歳以上の高齢者である。障害者数は明確になっていない。

 

表5-4-3-3 イェーテボリ市の高齢者数・STS資格者数

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※ %は対市の人口比

出所) イェーテボリ市資料

 

STSは医師の判断により利用が許可される。主な条件を表5-4-3-4にまとめた。事前に利用資格を得ていない場合に、急遽具合が悪くなりSTSで通院した時は、病院のレシートに医師の証明をもらい、後で利用資格を申請することも可能である。

利用者はドア・ツー・ドアで介助が受けられる。家の外(前)から歯医者に行くのであれば、歯医者のいすに座らせるまでがSTSの仕事とされている。室内のホームヘルプは、市のホームサービスという部署があり対応している。これは応能負担である。

 

表5-4-3-4 西部イェータランドレギオンのSTSの利用条件

・利用資格:医師の診断をもとに、STS事務局の許可部門が審議して利用資格を与えるか決定する。(あくまでも医師の判断が必要。看護婦等の判断は不可。)

・運賃:通院の場合片道60Skr。買物等は25Skr。リハビリテーションは通院扱い。人口透析のための通院患者は無料。

・通学:通学でSTSを利用する場合、学校経由でSTS事務局に申請が行われる。

・支払上限:通院は、年間1,200Skr(20回分)まで支払えば、あとは何回利用しても運賃の支払いは免除。買物等は1トリップ25Skrまたは1ヶ月390Skr (約5,000円)の定期で40トリップまで使用できる(通勤、通学のトリップは別扱い)。

 

d. 評価

市内のSTS有資格者は、人口のおよそ5%であることを述べたが、ここ数年で、イェーテボリ市内の利用許可数は減少してきており、1999年の始めにはおよそ25,000名であったが、調査時点(2000年)では23,000名程度に減っている。許可数のうちおよそ20%が特別な車両を使うことが必要で(多くは車いすを使用しているため)、その他は、タクシーの相乗りサービスに該当する。利用者の70%が女性で、81%が65歳以上の高齢者である。

運行回数は1993年の190万回から、1998年の170万回へと減少傾向にある。このうち約120万件がイェーテボリ市内でのプライベートな目的のトリップで、33万件が他の部局の予算から支払いをうける通院のためのトリップであった。

 

 

 

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