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e. 高齢者・障害者の運賃割引制度

高齢者・障害者向けの運賃割引制度は表4-4-2-4のようになっている。

 

表4-4-2-4 高齢者・障害者向けの運賃割引制度

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f. 環境対策

HTのが1993年から1998年まで実施した一般利用者からのアンケート結果では、環境に対しての取り組みにも評価が高い。10年間でNOxを50%カットし、2005年までに乗客を20%増加させる目標を掲げている。4台に1台の割合でガスバス(LPG)を導入したところCO2は増加するという結果も出ているので、改善を要する部分も残されている。LPG車導入の際は、HTがコントラクター(バスの運行を請け負う契約事業者)に補助を行っている。通常のディーゼル車の場合、運行委託費は1時間あたり400DKKであるが、LPG車の場合は、405〜410DKKにするなど、委託料の増額によりインセンティブを与えている。

 

g. 今後の計画と課題

1980年代から、郊外へと展開する都市構造の変化や運賃の値上げなどの要因により、公共交通の利用者が減少してきた経験をもつHTでは、将来計画において、乗客の20%増を目指した公共交通の拡充に取り組んでいる。1990年代に入り利用者数の低下は底を打ち、現在は徐々に乗客が戻りつつある。

こうした中で、バス部門では、GPS(位置情報システム)とGIS(地理情報システム)を活用し信号のコントロールも含めたバスのIT化をすすめている。また、LRTを中心とした新たな交通モードの計画も進められている。主なものは、ミニメトロの延伸、LRT、レールバス、より高速でより快適なハイクラスバスのサービスなどである。

 

3] HTのハンディキャップ・サービス

a. 運行開始の背景

ハンディキャップサービスはHTが1979年に首都コペンハーゲンにおいて開始した、障害者のためのドア・ツー・ドア・サービスである。サービス開始の背景は、車いすを使用している人などがメインストリームの公共交通を利用する事ができなかったため、既存の公共交通システム(バスおよび地方の鉄道)の代替手段が必要とされたためである。

 

 

 

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