HTは全ての運賃収入をネットとして計算し、それぞれの路線を利用する乗客数が何人であろうと、契約事業者に対して委託費用を支払っている。こうした運行方法は、社会的な観点および利用者の立場から見て、利用可能なバスサービスが公共交通として提供されることを保障するものである。
1時間あたりの1台の運行コストの平均は、1990年には約400DKKだったが、1995年の時点では330DKKに下がっており、入札の効果が現れている。
1996年6月現在の委託状況は表4-4-2-1の通りである。HTからそのまま事業をひきついでいるバスデンマーク社をのぞき、主要7社と特殊サービスを行う事業者がバスの運行を担っている。
b. 様々なバスサービス
HTの運行地域では、毎日およそ40万人の利用者が、ほぼ100万回のトリップを行っている。260のバス路線、12のSトレイン、5つの私鉄、さらに5つの地域鉄道セクションが、日々の通勤、通学、レジャーの足を担っている。
HTの管轄地域における運賃と時刻表のシステムは2つの大きな特徴がある:
・利用者は鉄道とバスの自由な乗り継ぎが可能。
・運行地域全域にわたって時刻表が連動するように配慮されている。
ここ数年HTは多様な利用者のニーズに対応して、様々なバスサービスを考案し、システマチックなサービス提供に取り組んでいる。主なバスサービスの概要を表4-4-2-2に整理した。