b. DDAの特徴
DDAは雇用、商品・サービスの提供、土地や商品の購入及び賃借に関係することで障害者を差別することを違法としている。同時にこの法律において、障害者に対する差別について政府に助言する全国障害者委員会(National Disability Council)を設置した。
交通のアクセシビリティについて、イギリスはアメリカと違い業界と協調型ですすめてきた経緯がある。カナダの規制の進め方にも共通していると考えられる(昨年度レポート参照)。この進め方の重要な点は、規制を強化しただけでは長期的なバリアフリー整備の存続を望めない場合があるので、交通事業者等が段階的に取り組みやすいように配慮していることである。過度な要求で事業者がドロップアウトするよりは、確実に取り組める方法を選択していくという考え方である。
DDAにおいても、バリアフリー化等の義務を負うものの、その整備基準やスケジュールに関しては、交通事業者、車両製造メーカー、障害者団体が加わり、協議をすすめていく方法をとっている。したがって、実際の整備基準の導入は段階的に進めることになっており、交通のアクセシブル化が急激に進むということはないと考えられる。