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図3.16 杖なし誘導なし条件のおける停止距離のヒストグラムと累積割合

 

3種類の敷設幅における停止距離の間に統計的な差が認められるかどうかを、被験者内要因を変数とする分散分析モデルを用いて検定した結果、敷設幅の主効果(F(2,122)=50.65, p<0.001)は有意であった。3条件全体として停止距離の差が有意に認められたので、Tukey HSD法を用いて多重比較した結果、全ての組み合わせにおいてp値が0.01以下となった。つまり、30cmより40cm、40cmより60cmのほうが有意に停止距離が短かった。

このことから、今回の実験範囲で考えた場合、ホーム縁端を知らせる警告ブロックの敷設幅を拡張することで、ブロックから線路側の停止距離の短縮化が期待され、例えば、30cmを40cmに拡張するだけでもその効果があると考えられる。

 

2] 警告ブロック敷設幅30cmにおける歩行条件4種類の比較

図3.17は、敷設幅30cmの場合の4条件に関する停止距離のヒストグラムと累積停止割合を示したものである。

どの歩行条件においても無停止があったが、ホーム縁端を知らせる警告ブロックから80cm以内に停止できた割合は、それぞれ90%前後に達した。停止距離では、杖あり条件の「杖あり誘導あり30」と「杖あり誘導なし30」は、0cm以内で停止している試行が杖なし条件よりも多くなっているが、前方に伸ばした白杖によってブロックを検知するためである。白杖を適切に使うことができれば、より高いブロック検知率が期待できる。

 

 

 

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