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・ 同種・異種を問わず、60cm幅ブロックの検知性が最も高いことが今年度の実験結果から確認されたが、60cm幅のブロックを縁端部全般にわたり敷設できないホームが少なくない。例えば、島式ホームの場合、両縁端から80cmの位置に各々60cm幅の警告ブロックを敷き、両縁端から敷いたブロック間の中央に60cmの無敷設部を設けるとなると、最低340cmのホーム幅が必要となる。しかしながら、事務局の予備調査結果によれば、首都圏JR駅の約30%、関東・関西の大手民鉄駅の約45%において、ホーム最小幅はこの値以下であることが確認されている。

・ この場合、十分な広さが確保できる駅のみブロック幅を60cmとし、幅の狭いホームではその分ブロック幅を狭くしたり、また、同一のホーム内についても、階段脇等の狭隘箇所を除いて、幅が広い箇所には60cm幅ブロックを敷設すればよいといった案も考えられる。

・ しかし、ブロックの敷設ルールはできるだけ統一すべきではないか。視覚障害者の不安が大きいのは狭小ホームであるのに、狭小ホームではブロック幅が狭く、幅広ホームではブロック幅が広いというのもどうかと思う。

・ ただし、ブロック幅の拡張効果が今年度の実験結果から支持されているわけであり、今月になって関東地方で3人の視覚障害者がホームから転落している現状を鑑みれば、30cmのままでは納得しかねる。

・ 以上の議論を総括すると、現実的なブロック幅は40cmとなるのではないか。

・ 既設駅における改良を考えた場合、現状で主流となっている30cm幅の点ブロックに線状突起1本を付加することでブロック幅の実質的拡張を行い、点状突起と線状突起部を合わせて40cmブロックと同等の検知性を確保できればよいとするのであれば、即効的な対策となる。

・ ブロック自体の検知性を40cm幅ブロックよりも低下させずに、かつ内外方を検知可能なブロックが実現できるのであれば、既設駅の主流である30cm幅ブロックを基本にした検討で結構である。

3] これまで敷設方法が一元的に規定されていない箇所について

・ 柱などがあるために、ホーム縁端から一定の距離で警告ブロックを敷設できない場所や、狭隘箇所などへのブロック敷設方法の一元化は、鉄道事業者にとって重要な課題であるので、来年度は検討した上で、結論を示してほしい。

→ 柱などにより警告ブロックの直線的敷設が困難な場所の問題については、次回の委員会までに、事務局で採りうる対策案を整理した上で、検討案を提出する。

・ ブロック形状に関して言えば、JIS規格も考慮して、事業者は小判型ブロックの線状ブロックへの変更を順次進めていくことになるが、短期間での変更は困難であるので、過渡期には混在状況となることを出席者にご同意いただきたい。

 

 

 

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