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→ 実験結果からは、そのように解釈できる。

・ 無停止の場合と、ブロック手前で停止した場合の計測値や統計量(=平均値、中央値などの統計上の指標)の扱いを整理して報告書に記載してほしい。

・ 実験2の結果を元に、「異種2列敷設方式はホームの内・外方検知に有効である」と述べる際、「ホームの内側方向に線状ブロックが敷設されていることを利用者が知っていた場合において」ということを考慮する必要がある。

 

資料2-2 平成13年度の調査研究計画(案)

事務局の資料説明を受けて討議が行われた。資料の表1に示した「各検討案の長所・短所比較」が審議の中心であり、主な話題は、1]ホーム縁端のブロックに改良を加えることで、ホームの内・外方を検知可能にするための実験検討の可否、2]既設のホーム構造を踏まえたブロック幅の検討、3]これまで敷設方法が一元的に規定されていない箇所の検討、および、4]本年度の研究で得られた成果の確認と今後の進め方、などであった。

1] ホーム内・外方の検知策の検討について

・ ホームで方向が解らなくなった視覚障害者が困っている実態を考慮すると、内・外方の検知策に関する検討は、次年度にぜひやってほしい。

・ 異種2列敷設方式では、新たに誘導ブロックをホーム縁端部に連続して敷設することになるため、既存の敷設方法との誤認を生じる可能性があり、導入への不安が残る。

・ 実際、今年度実施した実験でも誤認事例が確認されたことを考えると、内・外方の検知性能はよいものの、導入した際のリスクも大きいため、異種2列敷設方式の採用は困難といわざるを得ない。

・ 点ブロックに線状突起1本を付加した案は、線状突起の意味を知らない人にも従来通りの警告情報を伝えることができ、一方、線状突起の意味を知っている人には一層有益という観点から有用と考えられるが、線状突起の形状や点ブロックと線状突起の間隔等については、十分な実験検討を行ってほしい。

・ 線状突起一本を追加した結果、停止能力が向上し、かつ内・外方が解ると整理すれば、停止能力や方向性についての議論は不要となる。

2] ブロック幅について

・ 事業者側の意見としては、今後、駅の新設や大規模改良を行うのはレアケースであるため、既存駅のブロックをどうするかを中心に議論してほしい。また、ルールを単純明快にした方が、新たなブロックを敷設するにしても早く普及すると考えている。

・ 地下鉄などでも構造上、ホーム幅が制約されており、こうした条件下において実現可能、かつ極力単純なルールを望んでいる。実験で良い成績が得られた60cm幅を現実に敷設するのは困難であるが、30cm幅では利用者が跨いで気づかないという危険性が残る。そこで、ブロック幅に関して、もう少し明確な結論が得られると有り難い。

 

 

 

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