図3.31は、表3.4の平均値をプロットしたものである。これによると、誘導なしの条件の方がやや速度が速くなっており、杖なし誘導なし条件が最も速くなっている。これは、誘導ブロックを足裏で確認しようとする意識が働くことや誘導ブロックの凹凸によって歩きにくさが生じることが要因ではないかと考えられるが、この点については内省の聞き取りをしていないので明確な理由はわからない。
次に、4条件の間の差の有無を統計的に検定してみる。
各被験者が全ての条件を試行したので、被験者内要因を変数とする分散分析モデルによって検定した。その結果、速度の主効果は有意でなかった。次に、白杖の有無と誘導ブロックの有無を変数とした2×2要因の分散分析モデルによって検定したところ、こちらについても、白杖の主効果、誘導ブロックの主効果、白杖と誘導ブロックの交互作用の全てについて有意な差が認められなかった。