どの歩行条件においても無停止があったが、ホーム縁端を知らせる警告ブロックから80cm以内に停止できた割合は、それぞれ90%前後に達した。ブロックに気づくことができれば、停止割合はかなり高くなる。
次に停止距離について検討する。杖あり条件の「杖あり誘導あり30」と「杖あり誘導なし30」は、0cm以内で停止している試行が杖なし条件よりも多くなっているが、これは足より先に前方に伸ばした白杖によってブロックを検知するためである。白杖を適切に使うことができれば、より高いブロック検知率が期待できる。具体的には、白杖の先端を床面に設置させながら左右方向に滑らせて、床面の形状の変化を検知するという方法になる。今回の被験者の中には、白杖の先端を縦方向に滑らせて使用していた人もいたが、白杖が警告ブロックの突起の間を滑り抜けるケースもごく稀にあったので、横方向に滑らせる方がブロック検知率は高くなると考えられる。なお、停止距離が80cmを超えた試行の内容を資料編2-8に添付したので参照されたい。