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ブロックから80cm以内の停止という観点で考えると、敷設幅30cm条件でも80cm以上の停止距離は1試行であり、それ以上は無停止になっている。なお、停止距離が80cmを超えた試行の内容を資料編2-8に添付したので参照されたい。

条件毎の停止距離の平均、中央値を図3.27に示した。停止距離の平均、中央値ともに「杖なし誘導なし60<杖なし誘導なし40<杖なし誘導なし30」となっており、警告ブロックの幅を拡張すれば停止距離が短くなることがうかがえる。

 

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図3.27 杖なし誘導なし条件における警告ブロック敷設幅別の停止距離比較

 

3種類の敷設幅における停止距離の間に統計的な差が認められるかどうかを検定した。このとき、各被験者は全ての敷設幅について試行しているので、被験者内要因を変数とする分散分析モデルを用いて検定した。また、無停止試行については、そのデータを欠損値として扱った。検定の結果、敷設幅の主効果(F(2,122)=50.65, p<0.001)は有意であった。以上の結果で3条件全体として停止距離の差が有意に認められたので、次に、具体的にどの条件とどの条件の間に差が認められるかを、Tukey HSD法を用いて多重比較した。その結果、全ての組み合わせにおいてp値が0.01以下となった。つまり、30cmより40cm、40cmより60cmのほうが有意に停止距離が短いという結果が得られた。

このことから、今回の実験範囲で考えた場合、ホーム縁端を知らせる警告ブロックの敷設幅を拡張することで、ブロックから線路側の停止距離の短縮化が期待され、たとえば、30cmを40cmに拡張するだけでもその効果があると考えられる。

 

 

 

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